宮城県柴田郡川崎町大字川内字北川原山72番地
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院長コラム

「動的平衡」

組織をいきものとして考えるか機械のように考えるか、さまざまな見方があります。植物のように太陽の光とよい土と水をあたえておけば自然に成長すると考えるのはいきものとしてみるとらえ方です。いっぽうで機械のようなシステムとして考えてそれぞれの機能を明確にしてPDCAのサイクルをまわしながらコントロールしていくというのは機械のように考えるとらえ方です。病院という組織の運営にたずさわりながら両方の側面があるということを実感します。

またどんな組織でもあると思いますがさまざまな事情で組織を構成するメンバーやスタッフが入れ替わることがあります。高齢が理由であったり、家庭の事情であったり、ときには組織と個人のマッチングがあわないということもあります。そういう場合にはさびしさやむなしさ、諸行無常のひびきを感じたりもします。

最近、分子生物学者福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』という本を読みました。累計85万部を突破したベストセラーの新書です。それによれば生命とはたえずそれを構成する物質が入れ替わりながらも秩序をたもっていく「動的平衡をもつ流れ」であるということになります。人間の組織にも間違いなくそういう側面があります。人が入れ替わりながらも対社会的にはかわらない性格も維持している。それはその組織の伝統や文化や理念というものだと思いますが変わりつつ変わらないのが組織といういきものなのでしょう。

これからもゆらぎつつもバランスをとってやっていきたいと思います。

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